すぐできる!「ウォーキング習慣」で、おなか美人になろう

ダイエットの成果がなかなか出ない。毎日のトイレでスッキリできない。いつも美容トラブルを抱えている……。こうしたさまざまな不調は、もしかしたら「おなか環境」のせいかもしれません。

健康的な「おなか環境」を作るためには、腸内細菌のバランスが重要だと言われています。食事や生活習慣の見直しももちろん大切ですが、実は軽い運動も効果的なんですよ。

さあ、くわしく見ていきましょう!

カラダとココロの健康に深く関わっている腸内細菌

そもそも、なぜ腸内細菌が健康に深く関わっているのか、ご存知ですか?

人間のおなかには、約1,000種100兆個近くもの腸内細菌が存在していると言われています。これらの菌を顕微鏡で見ると、お花畑([英] flora)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

実はこの「腸内フローラ」の菌が出している物質が、私たちの健康に大きく影響していることが分かってきたのです。腸内細菌のバランスが崩れると悪玉菌が増え、その悪玉菌が放つ有害物質によって、さまざまな不調が引き起こされる結果に……。

また、腸は脳とも密接に関わっており、自律神経やホルモンなどを通して影響があるとされています。例えば、ストレスや緊張を感じるとお腹が痛くなったことはありませんか?これは脳が自律神経を介して、腸にストレスの刺激を伝えるから。腸内環境は、ココロの健康にも影響しているのですね。 腸の働きが低下すればするほど、腸内細菌のバランスは崩れる。だからこそ、腸の動きを活発にする習慣が大切になってくるのです。

どうして「ウォーキング習慣」でおなかがよろこぶの?

「おなかの環境を整えたい」と思った時、まず始めるのは「食事内容の見直し」という方が多いかと思います。食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖や納豆菌などを摂取するのは腸活の基本ですよね。

それとプラスして、ぜひ始めていただきたいのが「ウォーキング」です。

ウォーキングには多くの健康効果がありますが、おなかの健康にとってもオススメの運動です。なぜなら、「歩くだけで腸への刺激となる」から。この刺激によって腸の中で「蠕動運動(ぜんどう運動)」がしっかり行われるようになると、おなかの不要な物が次々と押し出され、腸内環境が整うというわけです。

また、ウォーキングのようにリズミカルに動く運動は、 “幸せホルモン”セロトニンの分泌を高める効果があり、快適な速度で歩くことでリラックス効果も。さらに、全身の血流が巡って自律神経が活性化することで、腸の活動を促すことが分かっています。 「歩く」というシンプルな習慣ながら、腸にとっていいこと尽くし!ぜひ、おなかのために始めたいですね。

自分のリズムで、できる運動から始めよう

とはいえ、日頃あまり運動をしないという方にとっては「毎日必ずウォーキング」を義務にしてしまうと、かえって億劫に感じるもの。でも大丈夫!腸内環境のためのウォーキングは、そんなに頑張りすぎなくてもいいんです。

ハイペースできびきびと歩く一般的なウォーキングではなく、「おさんぽ」くらいののんびり感でOK。自分が心地よいと感じる速度で歩くのがいちばんです。なぜなら、「歩くこと」は、足を交互に前に出す動作の繰り返し。ただ歩くだけでも、しっかり腸への刺激となるからです。 お買い物に行くときや通勤・通学のときなど、なにげないスキマ時間のウォーキングでも十分に効果がありますよ。日常の中で出来るカンタン習慣でおなか環境を整えて、ぜひ健やかなココロとカラダを育みましょう!

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参考:
●田和璃佳, 藤田紘一郎(2020)『40代からはじめる「腸活×菌活」完全マニュアル』徳間書店.
●藤田紘一郎(2015)『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』毎日新聞出版.
●松本明子(著), 小林弘幸(監修)(2015)『腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました! 』アスコム.
●大正製薬ダイレクト,「健康コラム/体の中から健康に!腸内環境を整える」,
https://www.taisho-direct.jp/simages/m/contents/column/
●糖尿病ネットワーク,「ウォーキングが腸内フローラを改善 運動をすると腸内菌が健康に」,
https://dm-net.co.jp/calendar/2016/024666.php