uresawa_oka 菌活や腸活をはじめると、よく耳にする「腸内フローラ」という言葉。
フローラとは、お花畑のこと。なので、直訳すると「腸内のお花畑」なのですが、一体どんなお花畑で、腸とどんな関係が？と不思議に思いますよね。
ですが、この「腸内フローラ」こそ、あなたの健康や美容に深く関わっていることが最近の研究で分かってきました。特に、「ダイエットがなかなかうまくいかない……」とお悩みの方にとっては、ぜひ知っていただきたいお話です。 ぜひ、“はすや”と一緒に、その謎に迫ってみましょう！
まるで腸内のお花畑。腸内フローラとは？
私たちの腸の中には、100兆個以上といわれる腸内細菌が存在しています。驚きの数ですよね！
この腸内細菌を顕微鏡写真で撮影すると、無数の菌がひしめき合うように広がっており、その姿がまるでお花畑のように見えることから「腸内のお花畑＝腸内フローラ」と呼ばれるようになったそうです。
例えば、花壇に色々なお花が咲くように、腸の中でも同じ菌同士がチームを組み、生態系が作られています。その分布図が「腸内フローラ」なのですね。
そんな「腸内フローラ」にいる腸内細菌は大きく３つに分類されます。それが「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」です。
この３つの菌、なによりも重要なのがバランス！
理想的なバランスは、善玉菌２割に対して、悪玉菌１割。残り７割の日和見菌は、その名の通り優勢な方に味方するので、善玉菌が多い状態であれば、腸内は健康に♪
これが一転、悪玉菌が有勢になると、日和見菌もコロッと悪玉菌寄りに……。腸内環境が一気に悪化してしまい、体調トラブルへ繋がってしまうのです。
悪玉菌の増加は、偏った食事や運動不足、ストレス、便秘などが要因といわれています。腸内環境が整っている人は、「腸内フローラ」が理想的なバランスに保たれているというわけなんですね。 そう考えると、「腸内フローラ」は、まさに十人十色だといえます。
最近の研究で分かってきた「太りやすい人」のヒミツ
「腸内フローラが、ダイエットとどんな関係があるの？」と思われるかもしれませんが、これが大いに関係していることがワシントン大学の研究で分かってきました。
例えば、同じような食生活やライフスタイルなのに、「太りやすい人」と「痩せている人」がいますよね。人によって太りやすさが違うことを、皆さんも実感したことがあるのでは？
今までは、「基礎代謝が違うせい」とか、「肥満体質だから」とか、「遺伝のせい」とか、なんとなくフワッとした理由で片付けていた現象も、じつは腸内細菌の仕業である可能性が高まってきたのです。
それが、ファーミキューテスという日和見菌の存在。
なんと、このファーミキューテスという日和見菌グループは、栄養素を過剰に吸収してしまう特徴がありました。いわゆる「デブ菌」と呼ばれています。
その逆で、脂肪細胞が余分な栄養素を取り込まないようにするバクテロイデスという「ヤセ菌」の存在も見つかりました。
つまり「デブ菌」の割合が多い人ほど、太りやすいという事実。衝撃ですよね。
この「デブ菌」と「ヤセ菌」は特別な細菌ではなく、誰もが持っている日和見菌の中の一つに過ぎません。ということは、いまいちダイエットがうまくいかないという方は、腸内細菌のバランスを見直すことがダイエット成功のヒントになるかもしれません。
これぞ腸内細菌ダイエット！ヤセ菌を増やすには？
太りにくい人の「腸内フローラ」にはヤセ菌がいる……これがもっと知られるようになれば、腸内細菌ダイエットが主流の時代がくるかもしれませんね！
デブ菌とヤセ菌の理想バランスは、デブ菌4：ヤセ菌6。太っている人は、この割合が逆転しているケースが多いのだとか。それなら、腸内のヤセ菌を増やせば、健康的に痩せられるかも！？でも、どうすればいいの？
実は、増やす方法は意外とシンプル。
それは、腸内細菌の大好物である「乳酸菌」と「食物繊維」、そして悪玉菌を減らしてくれる「納豆菌」を含む食品を、今までより少しでも多く摂ること。これらの栄養をもらった腸内細菌は働きが活発になり、ヤセ菌の多い腸内フローラへと変わってくるはずです。
オススメは、「ヨーグルト＆納豆」の習慣。この２つは、相乗効果でとてもいい働きをしてくれる食材だからです。朝食でもOKですが、就寝の1時間ほど前に食べるのも効率的なんですよ！
ぜひ、ご紹介した「腸内フローラ」を整える習慣を試してみてくださいね。きっと健康的なダイエットへとつながるはずです。
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参考：
●江田証（2019）『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』池田書店.
●NHKスペシャル取材班（2015）『やせる！若返る！病気を防ぐ！腸内フローラ10の真実』主婦と生活社.
●松本明子著, 小林弘幸監修（2015）『腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました！』株式会社アスコム.
●ビオフェルミン製薬,「腸内フローラをもっと知ろう」,
https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/