野菜の栄養を効果的に摂ろう!野菜パワーアップ大作戦

こんにちは、はすやです!

皆さんも毎日の食事でなにげなく食べている野菜たち。その栄養を余すところなく体に取り入れられているかと言われると、なかなか自信が持てないもの。

野菜によっては「加熱すると損なわれる栄養素がある」という話はよく聞きますよね。そのため、生食が良いと考える方もいれば、生食は体を冷やすから加熱した方が良いという方もいらっしゃいます。どちらが正解なのかというと、実はどちらも正解!これは、「野菜の種類や調理方法によって答えが変わってくる」からなのです。

元気な体づくりのために、いろいろな野菜を食べるのは本当に素晴らしいこと。それなら、いつも食べている野菜の栄養をできるだけ多く摂取したいですよね!

そこで今回は、よく食卓に上がる身近な野菜を中心に、栄養吸収率の高い食べ方をマスターしましょう。

栄養の吸収率ってそもそもなに? 

そもそも「栄養の吸収率」とは何でしょうか?

それは、食事からの摂取量を100%としたとき、体内にきちんと吸収される割合のこと!

私たちが食べる物は、口に入れて噛んだだけでは栄養は取り入れられず、胃で消化されて初めて体内に吸収される準備が整います。その後、消化された栄養素は小腸の粘膜から吸収され、やっと栄養を摂取したことになるのです。口に入れて栄養を吸収するまでにさまざまな過程があるため、食べ物の栄養素を丸ごと100%取り込めているわけではないのですね。

また、同じ栄養素であっても食品そのものや調理方法、組み合わせによって吸収率は大きく変わってきます。常に一定ではないからこそ、食べ方次第で吸収率をアップさせることができるのです!

せっかく食べるのなら、栄養吸収率の高い食べ方を意識したいもの。そこで、馴染みのある野菜の吸収率アップ方法をご紹介します。

【野菜別】栄養を効率的に摂る方法! 

【トマト】加工するとリコピンとβ-カロテン量がアップ 

抗酸化作用で知られるリコピンやβ-カロテンを多く含むトマトは、加熱加工して食べると◎。実は、リコピンは分厚い細胞壁の中にある栄養素なので、この壁を加熱で分解することで吸収率が高まります。

また、リコピンもβ-カロテンも油に溶けやすい性質があるため、油と一緒に食べると吸収率がぐんとアップ。トマトとオリーブオイルの組み合わせが多いイタリア料理は理にかなっているのですね。ケチャップやソース、シチュー、スープなどにするのがオススメです。


【しょうが】加熱すると温活パワーがアップ 

薬味や漬物としてもよく使われるしょうがですが、実は生で食べるより加熱調理がオススメの食材。しょうがは元々マレーシアやインドといった暑い国が原産で、辛みで発汗を促し、体内の熱を放出するために使われるそうです。加熱すると、辛み成分ジンゲロールが、ショウガオールという温活にいい成分へと変化します。そのため、冷え対策で食べる時は、ショウガオール増加のために加熱して食べましょう。


【たまねぎ】生食でサラサラ効果アップ  

たまねぎに含まれる硫化アリルという栄養素は、たまねぎ特有の辛みと匂いのもと。消化液の分泌を促したり、巡りのドロドロを予防したり、コレステロールに働きかけたりと多くの健康効果があります。しかし加熱すると別の成分に変化してしまうため、サラサラ効果をアップするなら、断然サラダなどの生食がオススメです。


【キャベツ】水溶性ビタミンを逃さない調理方法を 

キャベツはビタミンCやビタミンUを豊富に含む野菜ですが、どちらも水溶性ビタミンなので、水に溶けやすく熱に弱い特徴があります。ビタミン類をできるだけ多く摂るなら、生でそのまま食べるか、加熱調理の際はさっと短時間で行うのがベスト。茹でて使う場合は、できるだけ汁ごと使い、溶けた栄養を逃さないようにするといいですね。ちなみに、キャベツの塩漬けやザワークラウトも生食なのでオススメですよ。


【きのこ類】生食は基本NG!加熱はしっかりと  

きのこといえば、ビタミンB1やB2、食物繊維など栄養の宝庫。そんなきのこ達は、冷凍することで細胞膜が壊れ、栄養の吸収率や旨味がアップするんです!生のまま冷凍して、1ヶ月ほど保存が可能。調理の際は凍ったまま使うと、旨味成分が逃げないのでオススメ。ただし、きのこ類は生のままだと食中毒などを引き起こす場合があるため、加熱調理して食べると安心です。

野菜の恵みをかしこく摂ろう! 

野菜は、私たちの健康づくりに不可欠な食材。だからこそ、それぞれの野菜たちが持つ特徴をよく知って、栄養を効率よく摂ることはとても大切なんです。

今回は代表的な野菜をピックアップしましたが、まだまだご紹介しきれなかったものも多いので、またの機会にご紹介しますね♪さあ、野菜の恵みを美味しくかしこく摂って、健やかな毎日を送りましょう!


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参考: 
●中野明正著(2020)『機能性野菜の教科書: 野菜の栄養素と健康効果・品種・栽培方法・レシピ』誠文堂新光社.
●吉田企世子著(2020)『野菜の栄養素まるごと便利帳: ムダにしない!逃さない!』エクスナレッジ.
●クロワッサン編集部編(2022)『Dr.クロワッサン 免疫力をしっかり上げるなら年中温活。』株式会社マガジンハウス.
●三浦理代監修(2018)『はじめよう朝ベジ!朝ごはんに野菜を食べるメリット』健康と料理社.
●SUNTORY,サントリーウェルネスOnline「栄養吸収率を上げるには?栄養の組み合わせで吸収率を上げる方法」 https://www.suntory-kenko.com/column2/article/9482/#3
●ハウス食品,House E-mag「同じ「鉄」でも全然違う!? 栄養の「吸収率」とは」 https://housefoods-group.com/activity/e-mag/magazine/84.html
●ウェザーニュース,「8割が知らなかった?キノコを冷凍すると旨みや栄養価が増すワケ」 https://weathernews.jp/s/topics/201910/150065/
●ウーマンエキサイトEレシピ>食コラム,「きのこを冷凍して栄養価アップ!種類別の方法やポイントからレシピまで紹介」https://erecipe.woman.excite.co.jp/article/E1600321878400/