【発酵文化から学ぶvol.3】ドイツ生まれの発酵キャベツ「ザワークラウト」を楽しもう

こんにちは、はすやです!

皆さん、ドイツ発祥の「ザワークラウト」という発酵食をご存知ですか?「発酵キャベツ」という名で、日本の腸活シーンで近年注目されています。

そこで今回は、腸活&菌活視点から「発酵キャベツの世界」を一緒に楽しみましょう!

ドイツの発酵保存食「ザワークラウト」 

数多の発酵食の中でも「腸活や菌活に良い」と日本で人気があるのが、ドイツの発酵食品「ザワークラウト」です。「ザワー (sauer)=酸っぱい」、「クラウト(kraut)=ハーブ、芽」を意味するドイツ語ですが、ドイツをはじめ、フランス北東部やポーランド、東欧やロシア、またドイツ移民の多いアメリカなどでもよく食べられています。

ドイツでは、1600年代から受け継がれている伝統的な家庭料理のひとつで、古くは新鮮な野菜や果物が手に入りにくくなる厳しい冬の間、ビタミンC源として活用されていました。今でも、ソーセージなどのお肉料理のサイドディッシュとして愛されています。日本でいうならば、ぬか漬けや浅漬けのような立ち位置かもしれませんね。

そんな「ザワークラウト」、マリネのような酸っぱい味わいなので「酢キャベツ」と勘違いされることがありますが、全くの別物なんですよ。その違いは、まさに“発酵しているか、いないか”です。

この「発酵していること」が、腸活的にとても重要なのです。

「発酵キャベツ」が腸活的に優れている理由 

「ザワークラウト」はとてもシンプルな作りの発酵食。基本はキャベツと塩だけなんです。キャベツの葉の表面についた植物性乳酸菌の働きを活かして発酵が進む仕組みです。腸活を実践している方から見ると、「キャベツ×乳酸菌」の組み合わせだけで「腸活にいい」とすぐにお分かりになるかと思います。

元々、食物繊維が豊富なキャベツ。ほかにも、ビタミン類、カリウム、葉酸など、体にうれしい栄養素がたっぷり含まれています。そんなキャベツをさらに乳酸菌で発酵させているのだから凄いですよね!

日本では「発酵キャベツ」とも呼ばれ、腸活のために食べているという方が多いようです。最も実感しやすいのが、やっぱりお通じ。植物性乳酸菌と食物繊維の組み合わせによって腸内環境が整うからでしょうね。また、ビタミンCや亜鉛なども含まれているため、免疫力のサポートも期待できます。また、肌の健康に欠かせないビタミンAやビタミンB6、ビタミンB2なども豊富なので、美容面でもメリットが大きいことが魅力のひとつ。

そんなメリットいっぱいの「ザワークラウト」、実は自宅で手軽に作ることができるので、普段の食事に取り入れるのも簡単なんです!

自宅でできる「ザワークラウト」の作り方 

ここでご紹介するのは、できるだけ手軽に作れる「ザワークラウト」です。市販のレシピ本やレシピサイトでも、さまざまな「ザワークラウト」の作り方が紹介されていますので、ご自分の好みに合ったレシピでOK!まずは参考にされてみてくださいね。

「ザワークラウト」

材料


キャベツ…1玉(1kgの場合)
塩…20g(キャベツの重さの2%ほど)
ローリエ…1枚(ちぎっておく)
キャラウェイシード…少々
鷹の爪…1本

煮沸した保存瓶(容量約1L)…1瓶

※キャラウェイシードは欧米のザワークラウトで使われることが多い香辛料ですが、味の個性が強いため、スーパーで手に入れやすいクミンシードやディルあたりで代用も可です。

作り方


[準備]保存瓶を煮沸し、ボウルなどは熱湯をかけてしっかり殺菌しておく。

(1)キャベツは外側の葉を除き、4等分に切る。硬い芯を取り、太めの千切りにする。

(2)(1)と塩をボウルに入れ、馴染むまで手で揉み込む。(この時に入れる塩の量は、キャベツの分量の2%)

(3)香辛料などを加えて混ぜ、手でギュッとしっかり押し込みながら、保存瓶に詰める。

(4)キャベツ表面を落し蓋のようにラップで覆い、上からおもしを乗せる。水分が上がってくるまで常温で数時間置く。おもしはペットボトルなどでOK。

※水位が十分に上がってこない場合は、2%の塩水をキャベツ全体がつかるまで注ぎ足す。

5)おもしをとってラップごと蓋をしたら、常温で2~7日間置いて発酵させる。発酵が進むにつれ中身が膨張するため、保存瓶はバットに乗せ、蓋を軽く閉めておくか、時々蓋を開けてガス抜きをするようにする。

6)小さな気泡が出始め、酸っぱい香りがしてきたら発酵している合図。キャベツが緑色から白っぽくなってきたら味見をし、青臭さが取れていたら冷蔵庫で2週間ほど熟成させて完成!


ザワークラウトを上手に仕上げるには、雑菌を繁殖させないことが肝心です。そこで気をつけたいポイントが以下の5つ。

❶調理器具はしっかり殺菌する。

❷保存瓶に詰めるときは空気をしっかり抜く。

❸塩分濃度2%を守る。

❹一定の温度が保てる場所で発酵させる。

❺防腐のために鷹の爪を入れる。

手作りする際は、この5つを留めておいてくださいね。

グリーンキャベツはもちろんですが、赤キャベツでつくるのもオススメです。お皿の差し色としても重宝するんですよ。春キャベツで作るのも美味しそうです。「どうしても今すぐ食べてみたい!」という方は、輸入食品店や大手スーパーで瓶詰め商品なども販売されていますので、上手に活用してみてくださいね。

さあ、この機会にあなただけの「オリジナル・ザワークラウト」を楽しみながら、健やか美腸を目指してみませんか?


参考: 
●高橋栄造編集(2018)『発酵のちから 快腸!がんも生活習慣病も、心配いらない』辰巳出版.
●石原結實著(2022)『乳酸発酵キャベツ健康生活』日本文芸社.
●井澤由美子著(2017)『乳酸キャベツからだに効くレシピ』扶桑社.
●女子栄養大学著(2021)『栄養と料理12月号』女子栄養大学出版部.
●高橋英造編(2018)『快腸!がんも生活習慣病も、心配いらない 発酵のちから』辰巳出版株式会社.
●マルコメ株式会社,発酵美食「世界の発酵食品探訪>乳酸発酵で腸活効果に期待!「ザワークラウト」とは?」https://www.marukome.co.jp/marukome_omiso/hakkoubishoku/20190328/10830/
●WWD JAPAN,「コロナ禍で見直されるドイツの発酵食品、ザワークラウト 海外ビューティ通信ベルリン編https://www.wwdjapan.com/articles/1076679