「病は、気から」という言葉ありますが、今や「病は、腸の不調から」といっても過言ではないほど、おなかのトラブルが健康に大きく関わっていることが分かってきました。
心身ともに健康でありたい。そんな方にぜひ知っていただきたいのが、おなかからのSOSサイン。実は、腸の不調はココロとカラダの不調を表しているケースが多いのです。
一体どんなサインがあるのでしょうか。さあ、一緒に学びましょう!
第二の脳と呼ばれる腸。どんな働きがあるの?
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「腸」ときくと、やはり「食べ物を消化吸収するところ」という印象がありますよね。もちろん、それも正解です。ですが、医療技術の進歩によって「それ以上の機能」があることが少しずつ解明されてきました。
「腸は第二の脳」という言葉を聞いたことはありませんか?
なんと、腸内には約1億個もの神経細胞が存在します。これは脳に次ぐ多さなんだそう!この神経細胞は感情にも深く関わっているため、「第二の脳」と呼ばれるようになったのです。
さらに、その神経細胞のネットワークによって、腸内細菌がカラダのさまざまな部位に影響を与え、脳にも密接に関係していることが分かってきました。例えば、脳がストレスを感じると腸が不調になったり、その逆も然り……。このネットワークを「脳腸相関(ちょうのうそうかん)」と呼びます。それほど、強い関係があるのですね。
また、腸にはカラダ全体の免疫細胞の約60%以上が存在します。そのため、腸内環境が悪くなると免疫力が低下し、不調を招きやすいカラダになってしまうのです。 まさに、腸は健康をコントロールする重要な臓器なのです。
おなかの不調は、ココロとカラダの不調につながる
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「脳腸相関」というネットワークの幅広さが解明され、もしココロやカラダに不調が生じれば、腸にも何らかの影響が出てくると考えられるようになりました。これは、もちろん腸サイドからも同じことがいえるのです。
例えば腸の不調は、ココロとカラダの不調。まさにSOSのサインです。この腸からのSOSのサインを読み取れば、普段なら見過ごしてしまいそうなココロとカラダの不調にも気づけるかもしれません。
では、腸が発するSOSサインにはどんなものがあるでしょう?
代表的なのは、便秘や下痢ですよね。どなたも経験したことがあるのではないでしょうか。これは、感染症やアレルギーをはじめ、腸内細菌のバランスの乱れや精神的なストレスなど、さまざまな問題への反応として現れる症状といえます。他にも、おなかにハリや痛みが出たり、腹痛が続いたりと、さまざまな不調があり、その症状自体にSOSサインが隠れていることが多いのです。
具体的にはどんなSOSサインがあるのでしょうか?ここでは、代表的な9つのSOSサインをご紹介します。
あなたは大丈夫?こんなSOSにご用心
こんなことがあれば要注意!
もしかしたら、腸からのSOSサインかもしれません。
① 下痢・便秘
食生活の乱れ、病原菌への感染、精神的なストレス、病気など、ココロとカラダに不調が生じると現れやすい症状です。
② おなかの張り
悪玉菌が増えると腸内のガスが過剰発生して、おなかが張りやすくなります。便秘と併発するケースが多く、食欲不振になることも。
③ おならが増える
おなかの張りと同様に、悪玉菌が増えてガスの量が増加するせい。また、便秘などのほか、大腸がんなどの病気に起因するケースも。
④ おなかのゴロゴロ
空腹時など腸の動きが活発になるときになる音ですが、食事の直後でも激しく鳴るようなら、なんらかの病気の疑いも。
⑤ 腹痛
便秘や下痢と併発することが多いですが、痛みの感じ方や位置によって原因も変わってくるため、激しい痛みや長引く場合はすぐに医師の診断を。
⑥ 急激な体重の増減
腸内フローラのバランスが崩れ、消化吸収の機能がうまく働いていないからかも。増加は栄養を吸収しすぎ、減少だと吸収せずに流してしまっています。
⑦ ゲップや胸やけ
腸内のガスが過剰発生して胃腸の内圧が上がり、胃液などが食道へ逆流してしまうことで起こります。おなかの張りなどと併発しているケースが多い。
⑧ 肌ツヤがなくなる
腸内フローラのバランスが崩れて、悪玉菌による代謝物が肌に悪影響を与えています。栄養吸収の機能が低下していたり、病気に起因するケースも。
⑨ 便の状態が悪化
便の色や形によって腸内の状態が分かります。硬すぎたり、柔らかすぎたり、色が黒すぎたり、黄色すぎたり……。便がいつもと「〜すぎる」時は要注意。
おなかの声に耳を傾けよう
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今回は、おなかの不調をSOSサインとしてご紹介しましたが、当てはまるものがありましたか?「最近、おなかの調子が悪いなぁ」で終わらせるのではなく、もしかしたらそれが、「どこかカラダやココロの不調かもしれない」と気付ければ、健康な毎日を過ごすための大きなヒントになるはずです。
そのためにも、おなかの声に耳を傾け、おなかがよろこぶ習慣を取り入れることはとても大切です。ぜひ、毎日の健康のために「おなかにいいこと」を続けてみてくださいね!
参考:
●江田証(2019)『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』池田書店.
●NHKスペシャル取材班(2015)『やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実』主婦と生活社.
●藤田紘一郎著(2015)『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』毎日新聞出版.
●大正製薬ダイレクト,健康コラム「step3 腸の働きを徹底解明!」
https://www.taisho-direct.jp/simages/contents/column/body/preparation02/