体とおなかがスッキリ目覚める「起きぬけストレッチ」

寒さが日に日に増すにつれ、スッキリ起きられなかったり、寝不足感に悩まされたりという経験はありませんか?冬はお布団から出るのが億劫になる季節ですよね。実は夏より冬の方が、朝がツラくなる原因が多くあるといわれています。また、朝は腸活にとっても大切な時間帯なので、起床時のコンディションによってお通じなども影響を受けやすくなります。

今年こそ、寒さに左右されずにスッキリ快適に目覚めたいですよね。そこでぜひ始めたいのが、誰でもすぐに出来る「起きぬけストレッチ」。ぜひ一緒に始めませんか?

 

冬になると朝がツラいのはなぜ?

冬になるとスッキリ起きられない理由として、大きく2つが挙げられます。それは「日照不足」「冷え」

まず「日照不足」ですが、夏に比べて冬は日照時間が短いですよね。しかも太陽光も弱めです。地域差もありますが、夏と冬では日照時間に平均5時間ほども差があるんだとか。さらに雪が多く降る地域では日照時間はさらに短くなる傾向に。実は日光を浴びる時間が短いと、覚醒を促進する働きを持つ「セロトニン」という物質が体内で減少することが分かっています。セロトニンが減少すると脳の機能が低下し、スッキリ起きられなくなると考えられています。

次に「冷え」。私たちの体は、お昼間もっとも体温が高くなり、就寝中や寝起き時は体温が低くなります。ですが、冬は外気温の影響で体温がもともと低くなりがちです。そのせいで体温調節がうまくいかず、睡眠の質や体の巡りが悪化。これが、朝なかなか起きられないといった問題につながりやすくなるのです。

冷えや疲労の蓄積は、胃腸の働きの低下につながります。また、朝の時間を布団の中で過ごして、朝食を抜いてしまった…ということが増えると、体内のリズムや栄養バランスも崩れてしまいます。こんな一日のスタートは、腸活的にも避けていきたいですよね。

 

スッキリ!布団の中でできる「起きぬけストレッチ」5選

 一日を快調にスタートさせるには、朝の軽い運動で体の巡りを整えることが効果的だと言われています。ですが、そもそも布団から出ることすらツラい冬は「朝の軽い運動」でさえ、なかなか難しいのが現状ですよね。

でも「起きぬけストレッチ」なら、全部「布団の中で」出来るんです!とにかく簡単で習慣化させやすいのがメリット。「寒くて布団から出たくないなぁ」と思ったら、まずはこの5つのストレッチを実践してみましょう。

①グ〜ッと全身伸び

仰向けの姿勢でゆっくりと息を吐きながら、両腕を頭の上にグーッと伸ばしましょう。手先と足先の両方から引っ張られているような感覚でゆっくりと体を反る感覚で伸ばすと、凝り固まった体がじんわりほぐれていきます。

②おなかで深呼吸

仰向けの姿勢で、まずは肺の息を吐ききった状態にし、次に肺いっぱいにゆっくり息を吸い込みます。吸うとおなかが膨らみ、吐くと凹むように「おなかで呼吸しているようなイメージ」で深呼吸を3〜5回ほど繰り返しましょう。リラックス効果がある深呼吸は副交感神経が優位になりやすく、腸の活動にも◎。

③手足のグーパー運動

 仰向けの状態で、手足をグーッパッ!グーッパッ!と閉じたり開いたりを繰り返します。筋肉を緊張させたり緩めたりを繰り返すことで、睡眠中に鈍くなった手先の巡りがよくなり、目覚めのスイッチが切り替わりやすくなります。手首足首をグルグル回す動きをプラスすると、さらにGOOD。

④肩だけグルグル

仰向けになったまま、肩をグルグル10回ほど動かしましょう。上下に動かすだけでもOK。就寝中にこわばった肩甲骨あたりの筋肉がほぐれて血流がよくなり、シャキッとします。朝から肩がダル重い時などは特に効果的です。

⑤片足ぎゅっと引き寄せ

仰向けのまま膝を抱えて、ギューッと胸の方に引き寄せながら20秒ほどキープ。キープ時は無理をせず、「気持ちがいいところ」で止めましょう。これを左右交互に行うと、お尻や股関節の筋肉がほぐれて可動性が上がり、体がスッキリします。

以上、5つのストレッチをご紹介しましたが、どれも手軽に出来そうなものばかりだと思いませんか?「ストレッチしなきゃ!」と義務感を持つよりも、「目が覚めたら、ひとまず体のこわばりをほぐして巡りを良くしよう」という感覚で取り組むと、続けやすいかと思います。

また、ストレッチによって就寝中に動きが鈍ったおなかが刺激されると、朝のお通じにも差が出ます。腸活の基本は「しっかり出すこと」。ぜひ、起きぬけストレッチで気持ちのいい朝を迎えたいですね。

さらにスッキリ!ストレッチにプラスしたい習慣

朝の目覚めをスッキリ爽快にするために、ストレッチにぜひ加えたいのが「セトロニンの分泌を増やす習慣」です。前述にもある通り、交感神経が優位になり、体が活動に適した状態になるためには、自律神経に働きかける「セロトニン」という神経伝達物質の分泌が不可欠だからです。

効果を感じやすいのは、起床時の日光浴。目覚めたらカーテンを開けて陽の光を浴びるようにしましょう。できるだけ目から太陽光を取り入れられるといいですね。起床時にはまだ日が昇っていないという場合は、部屋の電気をつけるだけでも違いますよ。 次にオススメなのが、セロトニンの材料となる「トリプトファン」を含む食品を積極的に摂ること。納豆や豆腐、味噌といった大豆製品や、ヨーグルトや牛乳などの乳製品、ナッツ類や穀類などに多く含まれています。朝食のメニューにぜひ取り入れてみてくださいね。

 

朝のスッキリスタートで、ハツラツとした一日を

つい鬱々としがちな冬の朝も、ちょっとした習慣を続けることで一日のスタートを心地よく切ることができるはず。体調を崩しやすい季節こそ、毎日の目覚めを改善して、心も体も、なによりおなかもスッキリ健やかに過ごしたいものですね。

さあ、明日の朝からさっそく「起きぬけストレッチ」を始めましょう!

 

 


参考: 

●有田秀穂(著)(2020)『医者が教える疲れない人の脳: 「慢性疲労」を消す技術』三笠書房.
●Medicalook(メディカルック),「なぜ?冬は眠い…だるい…起きられない。対策は朝と夜の「あの習慣」https://epark.jp/medicalook/winter-sleepy/
●グリコ,BifiXヨーグルトマガジン「起きぬけのストレッチがお通じに効く!新生活は『朝の腸活』ではじめよう!」https://cp.glico.com/bifix/article/2018/03/28/post_182.html
●医療法人社団博友会,博友会だより「冬季うつ病」http://www.hakuyukai.or.jp/pdf/hakuyukai12.pdf
●東洋羽毛工業,ぐっすり.com「目覚めすっきり!おふとんの上でできる簡単ストレッチ」https://xn--z8js3azm.com/oyakudachi/wakeup.html
●レタスクラブ,読み物「できない言い訳が見つからない…!布団でストレッチならスッキリ起き上がって元気に動ける!?」https://www.lettuceclub.net/news/article/226910/