美しいおなかを育てて体内美人になろう!

年齢を重ねるとともに、「化粧ノリが悪くなってきた」「カサカサしてる」「髪のツヤが気になる」などの美容に関するお悩みが増えていませんか?

スキンケアも丁寧にしているし、ヘアケア用品も変えてみた。それなのに、なかなかトラブルがなくならない……!そんな「加齢による美容トラブル」に悩む女性は少なくありません。

それ、もしかしたら「おなか環境」に一因があるかもしれません。なぜなら、美容は外側からのケアだけではなかなか実を結ばないからなんです。

なぜ内側からのケアが必要なのでしょうか?ぜひ一緒に見ていきましょう!

美容トラブルは「おなか環境」が原因で起きやすい

肌や髪などのトラブルは、紫外線や乾燥などの外的要因ももちろんありますが、実は体の内側からも大きく影響しているといわれています。

それが、美容を考える上で欠かせない「腸内細菌」の存在です。

「え?腸内細菌っておなかの中の話でしょ?」と侮るなかれ。おなかには、数多くの細菌が存在していますが、その細菌がどういう状態にあるかによって、肌や髪の状態も大きく違ってくるのです。

前提として、おなかの中には「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3種の菌があります。健康的な体には多様な細菌が共存しつつも、善玉菌の比率が多い環境です。ですが、おなか環境が悪化=悪玉菌が優勢となると、どうしても便秘になりやすくなります。この便秘が、美にとって本当に厄介なのです!

まず、おなか環境が悪くなることで、栄養の吸収などに支障が出始めます。そうなると肌や髪にも栄養がうまく行き届かない結果に……。

また、おなかに何日も便をため込むと、たんぱく質などの腐敗が進んで悪玉菌が大量発生。その悪玉菌が有害物質を生み出し、どんどん環境が悪くなる……。これぞ悪循環ですよね。

こうして発生したアンモニア、アミン、硫化水素、フェノール等といった有害物質は、おなかで吸収されて血液中に溶け込んでしまいます。この毒素が肌表面へめぐり、トラブルの原因になると考えられています。また、この有害物質はターンオーバーの乱れにも関わっている可能性があるそう。

こうなると、どんなに高価なケアアイテムを使っても効果が出にくいはずですよね。体内の環境を整えることが、美容にとっていかに大切かが分かります。

ストレスは、おなかの大敵=美容の大敵だった

私たちの美容に深く関わっていることが分かった「おなか環境」は、ストレスにとても弱いことが最近の研究で明らかになってきました。例えば、メンタルに不調を抱えている人は、同時におなかの不調にも悩まされている例が多いというデータが報告されているそう。

そのメカニズムは意外とシンプル。例えば、悩みごとがある時、なぜか吹き出物が増えたという経験がある方もいらっしゃるのでは?ストレスがかかると、まず脳が負担を感じます。すると自律神経が乱れ、その影響を受けやすいおなかの働きがどんどん低下、環境の悪化につながります。そして、この環境悪化が美容面でのトラブルを引き起こしてしまうのです。

さて、ストレスと聞いて、どんなものを想像しますか?

不安やイライラ、緊張感など心理的なものばかり浮かびますが、実はさまざまなものがストレスの要因になります。たとえば騒音や光などの物理的なもの、花粉や埃といった生物的なもの、化学物質の刺激や気温の変化など、多くの外的な刺激がストレスとしてカウントされます。

私たちは日々、ストレスにさらされているといっても過言ではないですね。たかがストレス、されどストレス……。上手に解消して、おなかに影響を与えないことが、体内美人のカギとなりそうです。

ストレスをためないための「3つのR」

森の中でリラックスする若い日本人女性

そんなストレスの対処法として、日頃から気をつけておきたいのが「3つのR」です。ぜひ、生活のなかに取り入れて、ストレスを蓄積させないようにしたいですね。さっそく、「3つのR」をチェックしてみましょう。

① Rest [レスト]:休息

体や心をしっかり休ませる休息や睡眠のこと。就寝環境も大切ですが、デスクワークの合間も短い休憩を取る、気分転換に席を立つなど、日常生活で疲れを溜めすぎない対処を。

② Recreation [レクレェーション]:気晴らし

体や心を活性化させる娯楽や気晴らしのこと。例えば、運動や旅行、音楽鑑賞やガーデニングなどがオススメです。ぜひ、心を解放できることを見つけて楽しみましょう。

③ Relax [リラックス]:癒し

体や心を優しくいたわること。ゆっくり入浴したり、ストレッチをしたりといった、緊張を解きほぐす時間が大切です。親しい人と過ごすこともリラックスにつながります。

心の状態は、おなか環境に大きく影響します。もちろん、その逆も。どう頑張っても美容トラブルがなくならないという時は、おなかがよろこぶ菌活向けの食事やスキンケアなどに気をつけると同時に、じっくりと自分と向き合う時間や心身を癒す時間を作ってあげてくださいね。

ストレスと上手に付き合い、おなか環境を美しくすることが全身の美につながっていくはずです。美しく年齢を重ねるためにも、菌活やストレスケアなどの「体の中を整えるケア」を実践してみてくださいね!


参考:
●江田証(2019)『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』池田書店.
●NHKスペシャル取材班(2015)『やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実』主婦と生活社.
●藤田紘一郎著(2015)『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』毎日新聞出版.
●資生堂薬品株式会社,医肌研究所「便秘になると肌あれを起こしやすい?日常的に取り入れたい便秘対策」https://medical.shiseido.co.jp/ihada-lab/article/ih49.html
●公益社団法人 日本看護協会,「看護職の働き方改革の推進 メンタルヘルスケア」
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/safety/mental/kojin/index.html
●Iizuka R, Kawakami K, Chiba K. (2009) Gut bacteria producing phenols disturb keratinocyte differentiation in human skin. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.3109/08910600903429060