こんにちは、はすやです♪
今日は、発酵調味料である酢を作るのに欠かせない「酢酸菌(さくさんきん)」についてお話しますね。
「酢酸菌」と聞いてもあまりピンときませんが、「お酢のにおいを嗅いだ時に鼻にツンとくる刺激臭」といえば、分かりやすいかもしれません。
あの刺激臭こそ、まさに「酢酸菌」によるものなんです。
「酢酸菌」とは、アルコールを発酵させて、お酢の成分である酢酸を生み出す細菌の総称のことで、食酢を作るときに欠かすことのできない菌です。
大きな特徴は、防腐や静菌・殺菌作用があること。酢漬けやピクルスといった保存食によく使われる理由ですね。
さて、食酢には様々な種類がありますが、どれも「原料+酢酸菌による発酵」によって作られています。例えば…
「純米酢」は、お米が原料のお酒を酢酸発酵させて作られます。
これが玄米になると「黒酢」、りんごだと「りんご酢」、小麦やとうもろこしなら「穀物酢」、ぶどう果汁なら「ワインビネガー(ぶどう酢)」、大麦なら「モルトビネガー(麦芽酢)」といった具合です。
どれも酢酸菌がなければ作れないのが面白いですよね。
またお酢以外にも、酢酸菌を使って作られる発酵食品に「ナタ・デ・ココ」があります。
ココナッツ果汁、酢、砂糖、水に、酢酸菌の一種である「ナタ菌」を加えて発酵させると、酢酸菌の働きでセルロースという食物繊維が合成され、表面が固まってきます。
その部分を煮たものがナタ・デ・ココというわけです。
近年では、「酢酸菌」が花粉症や飲酒時の体調を整える効果があることや、免疫バランスをケアする作用が報告されています。
これからますます注目されそうな「酢酸菌」を、ぜひ健康ケアに活用したいですね!
▼前回の【私たちの発酵食】
–参考————————–
●金内誠著(2023)『理由がわかればもっとおいしい!発酵食品を楽しむ教科書』ナツメ社.
●キューピー>研究開発>食創造研究>ファインケミカルの研究>「キユーピーと酢酸菌」https://www.kewpie.com/rd/product/finechemical/